すずらん台矯正歯科では、患者さんと相談しながら治療計画を立案いたします。
お互いの信頼関係と患者さんの不安を取り除く為にも当然の事ですが、毎回、治療についての説明と進行の度合い、
疑問に対しての説明をいたします。
歯の基礎構造
むし歯治療
出来たばかりの、ごく初期のむし歯は削らなくても治すことができます。
最近は歯科技術の進歩により、大きく穴のあいたむし歯でも、痛いだけの治療は減っています。
"歯の治療は痛いから嫌だ"と歯医者を敬遠していらっしゃる方も多いとは思いますが、当院では、治療後"楽だった、来てよかった"と思って頂けるよう、できるだけ負担の少ない治療を目指しています。
歯の治療は患者さんご自身が確認できないからこそ、不安もたくさんあると思いますので、不安な方は遠慮なくご相談下さい。
歯周病治療
歯周病は、10代で40%、20代で60%、30代で80%、
40代では実に、90%以上の人が罹っているといわれています。
また日本では現在、80歳までに18本の歯を失う(=80歳で残っている歯の数が平均約10本、平成17年厚生労働省歯科疾患実態調査結果より)というデータがあり、歯を失う原因のほとんどが歯周病です。
歯周病は歯肉だけの病気だと思われがちですが、じつは歯周病は、
あなたが知らない間に、歯を支える骨(=歯槽骨)を溶かし歯を保持できないようにしてしまい、やがて歯が抜け落ちてしまう病気でもあるのです。
しかし、定期的なメンテナンスと正しいホームケア(「自己流」ではない、私たち歯科医師や歯科衛生士によって指導を受けた正しいブラッシング・食生活習慣改善など)によって予防できたり、進行を抑制できる病気です。
歯科医療先進国であるスウェーデンでは、行政指導のもとメンテナンスを行っている実績もあって、メンテナンス受診率は90%にもなります。
これはアメリカやヨーロッパでも類似しており、これらの国では国民のほとんどが、「痛くなる前に」「普段から(お誕生日等に)」必ず歯科医院を受診しています。
歯の保存率・歯周病罹患率とも日本とは大きな違いがあり、
スウェーデンや北欧では、80歳で自分の歯が平均20本
残っており、日本でいうところの「8020」(80歳で20本)がすでに達成されています。
一方、日本は歯の喪失率・歯周病罹患率とも高く(メンテナンス受診率2%)、未だに“入れ歯”が当たり前の治療選択肢となってしまっているのが現状です。
こうした国々の医療制度がすべて良いとはいえません(例えば高額の税負担など)が、貴方がもし、将来大切なご自分の歯を失いたくないと考えていらっしゃるのならば、既に「8020」の結果を出している国々の人たちのやり方や考え方を真似てみるのも良いのではないでしょうか。
歯周病の原因は歯の周りに付いたプラーク(多種の細菌と一部の細菌が作り出した粘着物で構成されたもので7割が細菌)で、プラークが固まった(石灰化した)ものが歯石です。歯周病治療の根幹はこのうちプラークを除去すること、すなわちプラークコントロールplaque control です。それも患者さん自身による効果的な歯口清掃が行われないかぎり,歯周病治療の効果は上がりません。当院の歯周病治療では、特にこの患者さん自身による効果的なプラークコントロールができることを目標にした、ブラッシング指導に力を入れています。
患者さんに効果的な歯口清掃を指導できないのを理由に、集患目的で定期的に患者を通院させ,専門的な清掃(professional mechanical tooth cleaning:PMTC)などと称して歯石除去を行う歯科医院が最近たくさん見うけられますが、ちなみにこの PMTCというものは歯石や歯の色素沈着(いわゆるステインと呼ばれます)を除去することではなく、本来は(これを提唱した 人の考えでは)プラークを除去することをいいます。
したがって、前述のように患者さん自身で効果的なプラークコントロールが できるのであれば、PMTCのような処置は不要になります。
またPMTCには医療的効果は望めないこともわかっており、 患者さんを瞞着する行為でしかないのです。
歯石や歯垢を取っただけでは改善がみられない重症な歯槽膿漏(歯槽のうろう)の場合、外科手術が必要になることがあり ます。一度、歯の周りの組織が破壊されると、なかなか元には戻りません。歯ブラシで磨きにくい状態が生ずるため進行を 早めてしまうからです。歯ぐきを丈夫にすることと、歯を支えている顎の骨をしっかりさせる必要があります。
重症な歯周病(膿の塊や汚れが歯の周りについた状態)の治療としては、歯の周りについた膿の塊や取れなかった歯石や歯垢を、きれいに取り除き、薬をいれて治します。
しかしながら、歯周病もむし歯も、前述のように定期的なメンテナンスと患者さん自身による正しいホームケア (プラークコントロール)により予防が可能な病気であり、予防が最高の治療法でもありますので、 歯を失ってしまわない為にも、早期の治療と予防をお勧めします。
顎機能不全症(いわゆる「顎関節症」)の治療
顎機能不全症(いわゆる「顎関節症」)は、顎(あご)を動かす際に、何らかの原因で顎の関節と頭骸骨の連結部が協調して動かなくなることによって起こってくる病気です。
下顎と頭蓋骨の間には関節円板(膝の半月板のミニチュアとお考えいただくとわかりやすいです)があり、いわばクッションの役目をはたしています。
このクッションの周囲の骨と軟骨、あるいは顎を動かす筋肉とのバランスが崩れると頭痛や耳痛、噛み合わせがおかしくなるという症状が出てきます。
・関節がカクカク、あるいはジリジリする(関節雑音)。
・耳の周りから口にかけて気だるさを感じる。
・顎関節が痛む(関節痛)。
・お口が開けにくい(開口障害)。
このような症状は、歯軋りなどによる顎の筋肉への過重負担、顎を強く打つなどの外傷、関節炎、精神的なストレスなどの原因から生じますが、原因がわからないケースも多く見られます。
治療は、痛みを伴うケースでは、痛みをやわらげるために次のような処方がとられます。
・お口を開けすぎないようにお気をつけいただく
・幹部を温めて筋肉の緊張をやわらげる
・痛み止めや筋力をリラックスさせる薬を服用する
・顎関節部をマッサージする
しかしながら顎機能不全症(いわゆる「顎関節症」)は、命にかかわるような種類の病気ではなく、自然に治ることも多いため、当院ではいきなり初回から歯を削ったり、スプリントというマウスピース状の装置をはめていただくといったことは行っておりません。また、顎機能不全症に対して、
「咬み合わせ治療」などと称して歯を削って歯と歯のかみ合わせを変えたり、健康な歯を削ってかぶせ物を作って入れたりする処置には、科学的根拠が全くありません。
くれぐれもご注意下さい。
当院ではあくまで対症療法がメインとなりますが、歯列矯正を行って歯並び、咬み合わせを変えることで治る場合がありますので、歯列不正を伴っているケースでは歯列矯正治療を併用することが多くなります。
お子様の歯は大人と違い、成長をみながら治療を行ってゆきます。保護者の方と相談しながら、お口の環境をよりよくしていきます。特に当院では、
治療を嫌がっていらっしゃるお子様につきましては、無理矢理頭などを押さえつけながらの治療や、ネット(抑制帯といいます)を被せての治療は行いません。
たとえその日は治療を行うことができたとしても、大人になってからいわゆる「歯医者嫌い」になってしまい、悪くなったり痛くなっても歯科医院を受診することがないまま、結果的にご自分の歯を失ってしまうことがしばしばあることがわかっているためです。
治療を嫌がる場合には、初回は雰囲気に慣れてもらう意味で治療は行わない(痛みや腫れがある場合でも投薬などにとどめる)か、行ったとしてもフッ素塗布など、ごく短時間で終わる治療に限定し、できるだけ成長してから「歯医者嫌い」にならないように治療を進めてまいります。むし歯に関しては、できるかぎり削らずに、極力神経を残して治していきます。特に小さいお子様の場合、初回から器械で歯を削って治療を行うことはせずに、最初の数回は治療に慣れてもらう意味で、手用のむし歯除去器具を使って恐怖感を与えないようにする等、お子様の年齢に応じた心理的配慮も重視しています。またむし歯の治療や予防だけでなく、きれいな歯並びの育成(早期咬合誘導)にも力を入れています。