当院も含め、一般的に歯科医院を受診される際には、いくつかご留意いただきたいことがございます。
いわゆる約束事やエチケット的な内容もありますので、ぜひ参考にして下さい。
特に最後の項(4.いわゆる「急患」にならないために=ご自分の歯を失くさないために)は必見です。
1. 保険証のご提出について
11月(4日、土曜日)より、一般歯科の保険診療を開始します。当院では、保険証の提示を毎回、診療の都度お願いいたします(健康保険法施行規則第54条が根拠となっております。月1回ではありません!)。必ず有効期限内のものをご提示下さい。保険証のご提示がない場合には、すべて自由診療(全額自己負担)扱いとなります。また有効期限切れ、あるいは資格喪失後の保険証は絶対に使用しないで下さい。
歯列矯正もしくは自由診療のみを受けられる場合におきましては、これまで通り原則保険証の提出は必要ございませんが、代わりに患者さんには、ご本人様であることを確認できる書類(運転免許証、パスポート等、もちろん保険証をご提示いただいても可)をご提示していただき、コピーを取らせていただいております。
2. 予約に関すること、予約制について
すべての歯科医院が予約制を行っている訳ではありませんが、当院も含めて、最近はほとんどの歯科医院が予約制で診療を行っているのが実情です。
予約制は患者さんの待ち時間をできるだけ少なくし、計画的な治療を行うのが 目的ですから、予約制の歯科医院ではできるだけご協力ください。
① その日の診療が終了したら、受付で次回の治療日と時間を予約しましょう。
② 次回の予定がその場ではっきりしないときは、後日電話でも構いませんので予約するようにしましょう。
③ 予約日と時間は必ずお守りください。できましたら予約時間の少し前に来院してください。
④ 急な用事で予約時間に来院できない場合は、電話でも構いませんのでご連絡ください。
⑤ 風邪や持病等で体調が悪い場合には、決して無理なさらずにお電話でその旨、ご連絡下さい。予約日時を変更いたします。歯科よりもまず、そちらの治療を優先して下さい。
⑥ 初診の時も、受診する歯科医院の連絡先がわかっている場合はあらかじめ電話で予約しましょう。
そのほうが待ち時間が少なくてすむことが多いようです。
急患の方(強い痛みや腫れ、外傷等の、いわゆる急性症状を有する方)も同様です。
※歯痛や事故などでいわゆる「急患」の方が受診される場合があります。
申し訳ありませんが、そのような時はお待ちいただくことがございます。ご了承ください。
3. 治療を受けられる前に
歯科医院で治療を受けられるときは下記のようなことにご協力ください。診療をスムーズに行うためにもぜひご協力ください。
① 治療を受けられる前は、歯ブラシで歯を磨き、口臭の残る飲食物は控えてください。
② 女性の方は、口紅を必ず落としてください。
③ 飲酒をされている方、あるいは泥酔の方の診療は、他の患者さんへのご迷惑となるだけではなく、医学的にも 危険(治療禁忌)ですので厳に、お断りします。予約日時の変更をお願いします。
4. いわゆる「急患」にならないために=ご自分の歯を失くさないために
当院でも、いわゆる「急患」の方は随時受付しておりますし、お待ちいただければ何とかいたします。しかし私がここで 皆さんに敢えて申し上げたいことは、 少なくとも歯と歯ぐきに関しては、
「急患」になどならないに越したことはない
ということです。「急患」にならなくていいように、普段から定期的に、自覚症状がなくても歯科医院にかかっておく習慣を持ちましょう。 そのほうが、経済的にみても一番お得であることがわかっています。
参考までに、私たちにとってはにわかには信じがたいことなのですが、海外の歯科医院では、歯の「急患」を受け入れる どころか、ドクターがバカンスの長期休暇を取ってしまうという話があります。たとえ受け入れる歯科医院があったとしても、 2時間や3時間は待つのが当たり前だそうです。
実は歯が痛いという方は、急に短時間で痛くなるのではありません。そうなるべくして痛くなるのです。何の前触れや 原因もなく痛くなるというのはきわめて稀です。本当は痛くなったり治まったりを繰り返したり、 何らかの違和感や歯に穴が開くなどの自覚症状が必ずあったはずで、それを放置しておいたのは、 病院の責任ではないというのです。
歯は痛くなってから慌てて病院に連絡するのではなく、悪い部分があれば定期的な検診で治すもの。 前もって休暇を取る期日さえ指定しておけば、何の問題も起こらないといわれます。
さすがにここまで自己管理、自己責任を求められるのも大変ですが、病院で何時間も待たされて 「私は急患なのに、どうして……?」とならないためにも、 日ごろから歯の状態に気を配って、定期的に歯科医院を受診しておくことを強くおすすめします。そうすることが、結果的に ご自分の歯を守り、一生自分の歯で食べることができる一番の近道だからです。
実際、当院を「急患」で受診された方のうちほとんど全ての方が、「1週間前から痛かった」、「2週間前から痛かった」、 あるいは「1ヶ月前から痛かったが、仕事が忙しくて受診できなかった」というふうに、受診される何日も、あるいは何週間も 前から異常に気づいていらっしゃっいます。「急患」の方の場合、もっと早く 受診していらっしゃったなら、抜歯や抜髄(いわゆる感染した歯の「神経」を取り除く治療、 歯にとってはいわば「最後通告」を意味します。)にはならずに、 歯を救うことができたであろうと推測されるケースが少なからずございます。歯科医師は決して好きこのんで 抜歯や抜髄をしているのではなく、
「急患」の方の治療の場合には、通常の予約の患者さんの治療とは異なり、 今ある痛みをできるだけ速やかに取り除くことを最優先
としなければなりませんし、
またそれが医師・歯科医師としての使命
でもありますから、
その結果としてやむを得ず、応急処置として、抜歯や抜髄のように、痛みの原因ごと何かを取り除いてしまう治療
が多くなるわけです。また実際そうすればほとんどの場合、 とりあえずの痛みは治まり、治るわけですから。
確かに歯を失う最大の原因であるむし歯や歯周病は、
初期には 痛みなどの自覚症状が全くありません。
ここでいう「初期」とは、われわれ歯科医師が診た上での「初期」のことです。しかし、
むし歯や歯周病は、この初期の段階で適切な治療を行えば完治できる病気です。
賢明な読者の方ならお気づきかと思いますが、むし歯や歯周病ができて、進行してゆくメカニズムから考えれば、
痛くなった時は初期などではなく、もはや手遅れ
と思っておかれたほうがいいでしょう。 そうであるが故に、痛くなったら急患で受診し、そして痛くなくなったら勝手に通院をやめる、ということを繰り返していると、 やがてはご自分の大切な歯を失ってしまう結果となるのです。歯や歯茎の治療は、風邪などとは違い、痛くなくなったら (あるいは症状がなくなったら)終わり、ではありません。大切な歯を守るためにも、一連の治療が終わるまでは 歯科医師の指示通りにきちんと通院していただき、 治療のあとは、定期的な予防管理を怠らずにお受けいただくことが非常に重要です。